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子会社設立を英語で伝える:親会社の担当者が押さえる訳語・社名・英文開示の基本

文:『子会社設立の実務ノート』編集部 / 掲載

この記事の前提
親会社上場・非上場の両方(英文開示の章は上場会社向け)
出資100%子会社と一部出資の両方(呼び方の違いは章ごとに注記)
つくる先国内子会社を中心に、海外の読み手へ英語で伝える場面
子会社設立を英語で伝える:親会社の担当者が押さえる訳語・社名・英文開示の基本のアイキャッチ

想定している読み手

子会社の設立が決まり、海外の株主や取引先、外国籍の社員にもその知らせを英語で届けることになった、親会社の経営企画・広報・法務の担当者に向けたページです。どの単語を選ぶかを、辞書の感覚ではなく法令の英訳や取引所の資料に照らして決められるよう、論点ごとの入口をまとめています。

子会社設立の英語は「誰が読むか」で選び方が変わる

読み手ごとに言葉を選ぶ。投資家・取引先・社員で求められる正確さが違う

新しい子会社をつくるとき、英語の文面が必要になる相手は一つではありません。上場会社であれば海外の投資家、事業によっては海外の取引先や提携先、社内では外国籍の社員や海外拠点の同僚です。同じ「子会社を設立しました」という知らせでも、相手によって求められる言葉の正確さと、文面が残る重さが違います。

図:子会社設立を英語で伝える主な場面

東京証券取引所の英文開示のページには、2025年4月以降、プライム市場の上場内国会社は決算情報と適時開示情報について、日本語による開示と同時に英語による開示を行うことが義務付けられている、と書かれています。プライム市場の親会社が開示の対象となる子会社設立を決めたときは、英語の文面づくりも開示の段取りに組み込む必要があります(確認日:2026年10月18日)。

非上場の親会社であれば英文開示の義務はありませんが、海外の取引先との契約や送金の場面で、新会社の英文の名称と親会社との関係を説明する機会はあります。どの場面でも共通するのは、最初に訳語を一つに決め、その後は同じ言葉を使い続けることです。このページでは、その訳語を決めるための材料を順に並べます。

子会社を英語で言うと:subsidiary と法令英訳の subsidiary company

法令英訳での子会社の言い方。会社法2条3号は subsidiary company と訳されている

「子会社を英語で言うと何ですか」という問いへの答えは subsidiary です。法務省の日本法令外国語訳データベースに載っている会社法の英訳では、2条3号の子会社が "subsidiary company"、4号の親会社が "parent company" と訳されています。日常の英文では company を省いて subsidiary だけで使う形もよく見かけます。

定義の中身も英訳でたどれます。日本語の条文にある「議決権の過半数」という物差しは英文にも書き込まれているので、海外の株主から子会社の意味を問われたときは、英訳の条文番号を添えて示すと説明が短く済みます。ただ、条文の読み方そのものが争点になる場面では、日本語の会社法に戻って確かめるのが筋です。

日本語(会社法) 法令英訳の語 社内文書での扱い
子会社 subsidiary company 初出で定義し、以後は subsidiary でも可
子会社等 subsidiary company, etc. 会社以外が支配する法人も含む語
親会社 parent company 持株会社なら holding company も候補
親会社等 parent company, etc. 法人でない支配者も含む語

日本法令外国語訳データベースの会社法英訳(平成27年法律第63号までの改正を反映した版)で確認。2026年10月18日

子会社と子会社等、親会社と親会社等のように、日本語で「等」が付くかどうかで範囲が変わる語は、英語でも etc. を付けて区別されています。社内の英文資料で会社法上の意味をそのまま伝えたいときは、この区別を落とさないようにしてください。

「子会社を設立する」を英語で:establish・incorporate・set up

設立するを表す三つの動詞。法人格の誕生、組織の立ち上げ、手配の口語

検索でいちばん多い組み合わせが「子会社を設立する 英語」です。候補になる動詞は主に三つあります。法人として登記され法人格を得ることに焦点を当てる incorporate、長く続く組織を立ち上げることを言う establish、手配して始めることを広く表す set up です。

法令の言い方に寄せたいなら、軸は incorporate です。法務省がまとめている標準対訳辞書は、会社を設立する場合の「設立」に incorporation を当てており、会社法の英訳でも株式会社の設立や定款の作成の条文は incorporate の形で書かれています。お知らせや社内の案内では、establish や set up のほうが読みやすい場面もあります。

incorporate が向く文書

  • 定款や登記にふれる説明
  • 契約書の当事者の記載
  • 法令の条文を引用する資料

establish・set up が向く文書

  • 事業の目的を伝えるお知らせ
  • 取引先への挨拶を兼ねた連絡
  • 社内の案内や社員向けの説明

この見出しを詳しく:子会社を設立する 英語「子会社を設立する」の英語:三つの動詞の使い分けと英文のお知らせの型

動詞ごとの前置詞の付け方、時制の選び方、英文のお知らせの見出しと冒頭の一文の組み立ては、「子会社を設立する」の英語表現の使い分けで例文つきで扱っています。

子会社の英語の読み方とカタカナ表記

subsidiary の読み方。強く読むのは二つ目の音節。表記は社内でそろえる

subsidiary は、つづりを見ただけでは読み方に迷いやすい語です。ケンブリッジ英語辞典の発音記号では、英国式が /səbˈsɪd.i.ə.ri/、米国式が /səbˈsɪd.i.er.i/ と示されており、どちらも強く読むのは「シ」にあたる二つ目の音節です。

カタカナで書くなら「サブシディアリー」が多く使われる表記ですが、公的に決まった書き方があるわけではありません。社内の資料で「サブシディアリ」「サブシディアリー」が混在すると検索にも引っかかりにくくなるため、用語集でどちらかに決めておくと後が楽になります。

この見出しを詳しく:子会社 英語 読み方子会社の英語 subsidiary の読み方と、親会社まわりの関連語

parent company、wholly owned subsidiary、affiliate などの関連語の読み方と、会議や電話で子会社設立を説明するときの注意は、子会社の英語の読み方と関連語にまとめています。

subsidiary と affiliate の違いは「支配」と「影響」

支配か、重要な影響か。子会社は subsidiary、関連会社は affiliated company

英文の資料では、subsidiary と並んで affiliate という語もよく出てきます。日常の英語では「系列の会社」くらいの広い意味で使われることもありますが、日本の法令英訳では、子会社とは別の関連会社を表す語として使われています。開示で使う財務諸表等規則の英訳でも、子会社と関連会社、さらに両者を含む関係会社には、それぞれ別の語が当てられています。

関連会社かどうかの物差しは「支配」ではなく「重要な影響」で、議決権の二割以上を持つことがその目安として条文に挙がっています。共同で新会社をつくる交渉のなかで相手先の持分が増え、自社から見て子会社ではなく関連会社の位置づけになる、ということも起こりえます。そのときは英語の語も一緒に変わります。

資本関係の図:出資比率と英語の呼び方(例)

この見出しを詳しく:subsidiary affiliate 違いsubsidiary と affiliate の違い:子会社・関連会社・関係会社の英語の対応

会社法の英訳、会社法施行規則の英訳、会計基準の英語名で訳語がどう違うかは、subsidiary と affiliate の違いで表にして比べています。

新しい子会社の英文社名:登記の商号と英語表記の登録

商号と英文社名は別の話。株式会社の文字を Co., Ltd. に置き換えて登記はできない

英語の話でつまずきやすいのが、新会社の社名です。法務省の説明によると、平成14年の商業登記規則等の改正で、商号の登記にローマ字やアラビヤ数字、アンパサンドなどの符号を使えるようになりました。ただし、会社法6条2項により商号には会社の種類に応じた「株式会社」などの文字を使わなければならず、これを「Co., Ltd.」や「K.K.」に代えて登記することはできない、とされています。

そのため、登記上の商号は「ABC Japan株式会社」のような形になり、英文の書類で使う「ABC Japan Co., Ltd.」は、登記とは別に会社として決めて使う英文表記という位置づけになります。会社法の英訳でも、6条2項は株式会社という日本の文字そのものを使う義務として訳されています。

英文表記を外部に示す手段の一つが、国税庁の法人番号公表サイトにある英語表記の登録です。送信票を作成して e-Tax または書面で提出すると、法人番号公表サイトと英語版のページに商号と所在地の英語表記を公表できます。設立の登記が済んで法人番号が指定された後、英文社名を決めた段階で検討するとよいでしょう。

英文社名を決める順番にも気を配ります。先に定款の商号を確定させ、その商号と同じつづりを英文社名の核に置き、最後に Co., Ltd. や Inc. のどれを添えるかを選ぶと、登記と英文の書類の対応が崩れません。親会社の英文社名の一部を引き継ぐかどうかは、グループの名称の方針として、子会社を設立する前に経営企画と広報で決めておくと手戻りが減ります。

チェックリストの図:子会社の英文社名を決めるときの確認

上場会社なら:子会社設立の英文開示で使われる言葉

英文開示の分類と様式例。子会社の異動は change in subsidiary と表される

親会社が上場している場合、子会社の設立が適時開示の対象になるかは、日本語の会社情報適時開示ガイドブックの基準で判断します。英語の文面は、その判断が済んでからの作業です。開示の要否と軽微基準の考え方は「子会社設立 適時開示」の棚で扱っているので、ここでは英語の言葉の側に絞ります。

日本取引所グループの日英対訳集にある開示情報の分類の対比表では、「子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項」が Transfer or acquisition of shares or equity interest accompanied by change in subsidiary or other matters accompanied by change in subsidiary と英訳されています。子会社の設立もこの「異動」の一つとして扱われるため、英文の分類名にも change in subsidiary という言葉が入ることになります。

同じサイトの英文開示様式例には、決定事実ごとの英文の見本が Word 形式で用意されています。子会社の新設そのものの見本は決定事実の様式例集には見当たりませんでしたが、株式の取得で子会社化する場合の見本があり、見出しの付け方や「Overview of the subsidiary」などの項目名は参考になります。

英文の分類名や様式例は2026年10月18日に確認したものです。開示の要否は日本語の基準で判断し、英語版はその内容と食い違わないことを最優先にしてください。

契約書・名刺・社内文書:訳語を一枚の対訳表にまとめる

訳語は一枚の表で管理する。部署ごとの言い換えを防ぎ、更新日を残す

子会社設立にかかわる英語の文書は、開示・契約・名刺・ウェブ・社内案内と、担当部署がばらばらになりがちです。広報は establish、法務は incorporate、営業は affiliate と、それぞれが別の言葉を使うと、読み手には別々の会社や別々の関係に見えてしまいます。

法令の英訳を対訳表の根拠にするときは、その英訳がどの改正まで反映した版なのかも一緒に書いておきます。データベースの英訳はあくまで理解の助けとして公開されているもので、改正が追いついていない法令もあり、効き目を持つのは日本語の条文のほうだからです。

見出し語
子会社・親会社・完全子会社・関連会社・関係会社・設立
採用する英語
法令英訳・標準対訳辞書・取引所の資料から選ぶ
使う場面
開示・契約・名刺・社内のどれで使うか
根拠と確認日
どの資料の何という語か、いつ見たか
管理する部署
変更の申し出を受け付ける窓口

英文の契約書で当事者の関係をどう定義するか、相手国の法律でどう扱われるかは、文書ごとに判断が分かれます。訳語の対訳表はあくまで社内の出発点とし、契約や開示の法的な判断は弁護士に、会計上の区分は監査人や公認会計士に確認してください。

まとめ:子会社設立の英語は、根拠のある訳語を一つに決めてから

訳語を一つに決めてから書く。法令英訳と辞書で確かめ、全部署で使い回す

子会社設立を英語で伝える場面は、英文開示、取引先への連絡、契約書、名刺、社内案内と幅があります。子会社は subsidiary(法令英訳では subsidiary company)、親会社は parent company、設立は会社の場合 incorporation が法令の言い方に近い語で、お知らせや案内では establish や set up も自然に使えます。

affiliate は関連会社の英訳として使われる語で、子会社と同じ意味ではありません。新会社の英文社名は登記の商号とは別に決めるもので、「株式会社」を Co., Ltd. に置き換えて登記することはできません。プライム市場の親会社なら、開示の対象となる子会社設立は英語でも同時に出す段取りが要ります。

  1. 読み手(投資家・取引先・社員)を書き出す
  2. 子会社・親会社・設立の訳語を法令英訳と辞書で決める
  3. 英文社名と登記の商号の対応表を作る
  4. 上場会社なら英文開示の担当と日程を決める
  5. 対訳表に根拠と確認日を残し、全部署で使う

それぞれの論点をもう一段深く知りたいときは、表現の使い分け、読み方と関連語、subsidiary と affiliate の違いの三つの記事へ進んでください。子会社設立の全体の段取りは「子会社設立 流れ」の棚、海外に子会社をつくる場合の親会社側の手続きは「海外子会社設立」の棚で扱っています。

手元の英文資料を一つ開き、子会社・親会社・設立にあたる語が何通りの英語で書かれているかを数えてみてください。二通り以上あれば、法令英訳と辞書で根拠を確かめたうえで一つに決め、対訳表に確認日と担当部署を書き込んでおくと、次の子会社設立のときにも同じ言葉で書き出せます。

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他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

掲載順は優劣や推奨の順位ではありません。「子会社設立 英語」「子会社設立 英語」と子会社・設立・親会社で検索して、実在を確かめたページです(確認日 2026-10-23)。リンク先の内容は各サイトの責任で更新されます。

子会社(こがいしゃ)|TKG Japanese-English Learner's Dictionary

子会社の英訳subsidiaryと、設立する・完全子会社などの英語の言い回しを載せた辞書

子会社って英語でなんて言うの? - DMM英会話なんてuKnow?
  • 「子会社」を英語で何と言うかを、英会話サービスのQ&Aで確認できるページ
  • eikaiwa.dmm.com

subsidiaryの意味 - あた辞書

subsidiary の意味を、品詞ごとの用例と例文を挙げて辞書形式で説明している

bayashi.net を開く
「現地法人」の英訳としてlocal subsidiaryなどの表現と例文を掲載した和英辞書のページ
「現地法人」の英語・英語例文・英語表現|Weblio和英辞書
親会社を英語で教えて!|ネイティブキャンプ「親会社」の英語表現parent companyとholding companyの使い分けを例文つきで説明
インターンシップガイド:関連会社とは?子会社や関係会社との違い
就職先を調べる学生向けに、関連会社・子会社・関係会社の違いを具体例つきで説明。
internshipguide.jp

子会社設立のお知らせテンプレート(cute-illustration)
取引先向け・IR向けの子会社設立のお知らせ文例と、書き方のポイントを無料テンプレートとして掲載している

英語の棚の資料(1本)

「子会社を設立する」の英語:establish・incorporate・set up を親会社の文書で使い分ける

「子会社を設立する」を英語で書くとき、establish・incorporate・set up のどれを選ぶか。法令英訳と標準対訳辞書、辞書…

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